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作品紹介
『花を追え』
ー仕立屋・琥珀と着物の迷宮ー
【第6回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作】
仙台の夏の夕暮れ。篠笛教室に通う着物が苦手な女子高生・八重はふとしたことから着流し姿の美青年・宝紀琥珀と出会った。そして仕立屋という職業柄か着物にやたらと詳しい琥珀とともに、着物にまつわる様々な謎に挑むことに。ドロボウになる祝着や、端切れのシュシュの呪い、そして幻の古裂「辻が花」……やがて浮かぶ琥珀の過去と、徐々に近づく二人の距離は果たして――?
謎のイケメン仕立屋・琥珀と女子高生・八重の着物をめぐる和ミステリ登場!
〈目 次〉
一の裂 着物を着ると泥棒になる?
二の裂 呪いまじない、解くほどく
三の裂 花の追憶
四の裂 辻が花の娘
五の裂 花を追え
〈選考委員選評(抜粋)〉
東 直己(作家)
機知にとんだ短篇集で、この作品が読んでいて、一番純粋に楽しむことができた。この著者は、不思議なサービス精神旺盛な方なのだろう、もっとも好感を持った。惜しくも大賞受賞とはならなかったが、匹敵する底力を秘めている。
北上次郎(文芸評論家)
着物の知識を核にした日常の謎ミステリで、着物の柄には歴史的な意味があることなどはなかなか面白い。さらに、第三話以降は一つの謎をめぐって大きな話になっていく。
鴻巣友季子(翻訳家)
和服の雑学を鏤めながら、日常の小さな謎解きから、ある人物の出自に関わる大きな謎に発展していく、「きもの連作ミステリ」というべき異色作。時おり老舗文化批評などもさり気なく差し挟まれるところに、作者の気骨を感じました。
清水直樹(ミステリマガジン編集長)
謎がただ謎として解かれるだけでなく、登場人物と有機的に絡むことで物語に厚みが出ている。とくに第三話以降の終盤は、物語に引き込まれた。
pre-hana
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